香港

香港の安宿、重慶マンションの「パラダイスワールド」に挑戦することになってしまった件

どうして重慶マンションのパラダイスワールドに泊まったのか?

急いでいたんですね。とにかく早く決めないと明日出発ですから。HKエクスプレスのセールで日本行きのチケットを超格安購入したナビ助でしたが、このチケットを使うにはまず香港に行かねばなりません。

ノンカイ→バンコク→香港というルートになるわけですが、最も手っ取り早く宿も取れるのがエクスペディア。ここからの予約で宿も無料になる可能性もあるほど。今回、急にマイカーでのラオス、ルアンパバーン行きを山賊情報のため断念し、その代わりの旅行という事で予算的にはわずかしかない。それで、エクスペディアで最も安い宿をチョイスしてしまったのです。

ここが魔の重慶マンション(チョンキンマンション)とは知らずに・・・
泊まってみたい人はこちらからどうぞ。(エクスペディアに飛びます)

重慶マンションって何?

泊まってから調べたのですが、どうやらすこぶる怖い場所のよう。無法地帯だった今は亡き「九龍城」と言われる雑居ビルの再来とまでいわれているらしい。怖っ ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

そんな場所だけにこの重慶マンションは映画、小説の舞台にもなっているようだ。金城武にトニーレオン出演の「恋する惑星」は重慶マンションを舞台に警官と麻薬の売人とのすれ違い恋愛模様を描いた映画。ちなみにアマゾンプライム会員なら視聴無料ですよ。

 

さらに、沢木耕太郎の「深夜特急」はバックパッカーの間ではバイブル的小説。インドのデリーからロンドンまでを乗り合いバスだけで一人旅をするという物語で、筆者自身の旅行体験が基になっているらしい。インドのデリーに行く前に格安航空券の関係で香港へ行くことに。そこで泊まるのがこの重慶マンションなのだ。興味のある人はどうぞ。主演大沢たかおでDVDにもなってます。

 

香港のどこにあるの?

ロケーション。まさに宿を決めたもう一つの理由でもありました。立地が最高なんですわ。ちょっと歩けば九龍公園、逆側はベイフロント、徒歩1分でMTR尖沙咀(地下鉄駅)、ザ・ペニンシュラ香港やSOGOだってあるのだ。

ここが重慶マンションの入り口。ナビ助は香港国際空港からA21の二階建てバスで来たのだ。最寄りのバス停は九龍酒店前・・・だったと思う。時刻はもはや10時を過ぎているが表にはそうとうな人が行き交っている。

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第一、この入り口を探すにも一苦労。エクスペディアに載っていた入り口の写真を頼りにたどり着いた。

 

中はどんな感じ??

中に入るといわゆる雑居ビルの様子。一体どこにパラダイスワールドなる宿があるかは全くわからない。ただ、エクスペディアにはE棟の5階とだけだ。入り口すぐ横のエレベーターはラッシュでごった返し。一応、並んでみたがやっぱり違っていたらしい。エレベーター係のおじさんが教えてくれたのだ。おじさん、ありがとう。

そのオジサンいわく「E棟は、曲がってまっすぐ行け」と。そう、言ったと思う。こんな感じのインド人だらけの雑居ビル街をE棟用のエレベーターをさがしつつ歩き回る。インド人の視線がたまらない。みんながこっちを見ているような・・・自意識過剰か。

この重慶マンションは1階メインの同じ一つの入り口からA,B,C,D,E棟と分かれており、目的の宿へはエレベーターを間違えるとたどり着くことができない構造になっているらしい。

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Eブロック。ようやくエレベーターを見つける。右のエレベーターが奇数階行き。左は偶数階。結構並んでおり、なかなか一度では乗れないのだ。待つこと10分から15分。ようやく乗り込み、5階へ。

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なんとかパラダイスワールドに到着したものの・・・

5階に到着。おッ、あった。あった。パラダイスの文字。しかし、ホテルロビーなどはなく単に受話器の無い電話機がポツン。なんとこの電話で呼び出すのか??書いてあった電話番号にかけてみる。

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ブーブー(電話の音)

電話の男性:「ハロー ナンタラカンタラ」

ん、何を言ってるのかな。しばし考えるがよく分からない。

ナビ助:「今日、予約してるナビ助です」

電話の男性:「フィッティ、フィッティ」

ナビ助:「フィッティ?予約しているナビ助ですが・・・」

電話の男性:「フィッティ、フィッティ」

こんな意味のないやり取りが10分か15分続いたのです。しばらく揉めておりました。同時にドアの向こうに相手がいるのだとばかり思いこんでいたのでドアをドンドン叩いておりましたら、やがて誰かがドアを開けてくれたのです。

それは電話の声の主とは違う女性でした。そして、彼女が言うには「ここはチェックインできない。15階へ行って」と言うのです。あっそうか。「フィッティ」ってずーと言ってたのは「フィフティーン」の事だったのか。とようやく気付きました。

しかし、受付が15階だなんてそんな話はキイテナイヨーだ。

そこへちょうど良く電話の声のスタッフがやって来た。彼も15階がチェックインだと。それならもっと早く降りて来てよ。15階から5階まで階段で降りてきた様子。ハアハア言ってますわ。

で一緒に15階に行くことに。しかし、ここのエレベーターなかなか来ない。結局階段で行く事になり、これまた急きょ10階にもあるというパラダイスワールドの部屋に直接行くことに。

10階の非常階段を上がると表は左の写真の感じ。ロックを外して中に入ると中でまた部屋が幾つもあるのです。
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パラダイスワールドの部屋の中は?

そしてようやくパラダイスワールドの部屋に入れたのです。

しかし、そこは衝撃の部屋。ベッドが置いてあり、ようやく人が横に立てるくらいのスペース。そしてシャワーはトイレの真上となっており、用を足しながら浴びるのかといった配置。きれい好きのナビ助としては最悪・・・バックパッカーじゃないのよ。

 

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さらに部屋のキーがない。タオルもない。それを告げると後で持ってくると男性スタッフが言うのでそれを待つことに。この部屋にはさらにがかかると言い出す始末。1日46香港ドル。3泊なので138香港ドルだ。日本円で2,000円程度。ほんとか?と思いつつも仕方ないので払う。

実際には130ドルしか紙幣がなく、それで良いとまけてくれたのだが。あっさりまけてくれるのも怪しいものだ。

さて、あとで持ってくると述べたタオルもキー。しかし待てど暮らせど来ない。タオルが無いとシャワーも浴びることができない。

一応、お湯は出るのかな?試してみよう。むむ、試すが出ない。操作が悪いのかなとも思い、あっちのスイッチを入れたり、こっちのツマミを回したりといろいろ格闘するも一向にお湯は出ない。まさかの水シャワーだ。

一応、WiFiは来ていることは確認。すぐにログイン。するとエクスペディアからチェックインを評価するようにメールが来てるではないか。「パラダイスワールドでのチェックインについて」これは良い評価ができる訳がない。で評価し、最悪を並べ立ててやる。

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しかし、一向に来ないホテルスタッフ。こっちもシャワーは今日は我慢できたとして、明日の朝は鍵も掛けずに出かける訳にもいかないので、電話してみることに。ラインの無料通話活用で。広告を見てからかけてみる。すぐに彼は電話に出た。どうやら、一人で忙しいと。後で部屋の前においておくからというような内容だったと思う。

しかしやがてコンコンとノックする音。彼はもって来たのか?

ドアを開けてみると手にタオルはない。鍵はなんと部屋のドアの横の棚から出してきた。しかし、受け取って実際に刺してみると、鍵穴が壊れてて鍵そのものが入らない。めちゃくちゃやん。

 

パラダイスワールドは交渉可能か?

「湯が出ない」と述べるとなんと衝撃の開き直りスタッフ「ここは出ない」と。「チェンジルーム可能か?」と聞くと一日200香港ドルかかるという。3日で9000円になる。安宿を選んだ意味がない。

そんなやり取りをしていて、なんとなくスタッフが暗い顔色だ。その理由を彼の方から切り出した。

スタッフ:「エクスペディアで悪評をつけただろう。これで俺は首になるんだぞ。給料ももらえない」彼は携帯の画面を突き付けてきた。

ナビ助:「確かに付けた。(もう分かっちゃうのか・・・内心ドキドキ)」

スタッフ:「俺だって一生懸命やってるんだ。でも一人だから十分できないだけだ」

ナビ助:「わかった。じゃ、いい部屋に無料でチェンジしてくれたら評価を変えるがどうだ」

スタッフ:「OK。分かった。今日はダメだ。明日の昼に無料で部屋を変えよう」

ナビ助:「お湯の出る部屋か?」

スタッフ:「お湯の出る部屋だ」

ナビ助:「無料だよね」

スタッフ:「無料だ」

これで交渉成立となったのだ。今夜はひとまずこの狭い部屋で寝ることにする。明日どうなることやら。

朝のノックでたたき起こされる

昨日のすったもんだで寝たのは1時半過ぎだったのもあり、ぐっすり寝ていた。どうせ昼に部屋を変えるのだから、それまでは部屋から出られない。荷物を置いたままの鍵もない部屋なんてシャレにならない。

そんな気持ちで昼前まで寝ていようと思ったのだが、朝の7時過ぎにドンドンとノックする音。なんじゃい。と思いつつドアを開けると昨夜のスタッフが手にバスタオルを3枚も持ってやってきた。ようやくタオルかい。

そして彼は、「ルームチェンジOK」と言い15階へ来いと言う。また、唐突だな~。仕方なく荷物をまとめて15階へ。やっぱりエレベーターが使えず非常階段を駆け上がる。

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15階のパラダイスワールドに初潜入

15階には改めて「パラダイス ホテル」の看板が。玄関は同じようにドアがあり、ここはカードキーをかざすと開くシステム。中に入ると今までと同じように幾つもの部屋がある。

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その一番奥の突き当りの部屋が今夜からの宿らしい。

 

新しい部屋の中はどう?

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まあ、昨日のレベルに比べれば良しとするか。シャワーも温水が出る。なんと言っても窓が二方向にあり、明るい感じが良い。これで何とか残る2日はしのげそうだ。

スタッフの兄ちゃん(?)は更に翌日エレベーターで一緒になったとき、「後で一緒に写真を撮ろう」と言ってきた。仲直りの印なのか?もちろん、エクスペディアの評価は良いにしておいたので機嫌を直したのかもしれない。「OK」と言っておいた。

しかし、実際ナビ助のチェックアウトは朝の4:50なのだ。部屋のキーとカードキーを残して、まだ暗い中そそくさと重慶マンションを後にして、次なる石垣島へと旅立ったナビ助だった。

 

※めっちゃ長くなりました。申し訳ございません。お付き合いくださり感謝いたします。

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